まるごとデザイン

なぜ日本の起業家にデザイナーが少ないのか?

なぜ日本の起業家にデザイナーが少ないのか?デザインドリブンが経営に必要になって、人材として必須なはずなのに?

その答えを探すためには、どうしても必要な定義があると思っています。それは生き方の話です。

生き方には2種類ある。と暴論的に言って始めてみたいと思います。その2種類というのはフリーランス的生き方か、起業家的生き方の2種類です。

フリーランス的というのは個人事業主を想像していただければわかりやすいですね。簡単に言えば、お金を持っている企業や人から仕事を依頼されて、その対価として報酬をもらって生計をたてている人です。

一方、起業家というのは、誰かから仕事をもらったりしないで、自分で仕事をつくりだす人です。誰かに仕えたり、誰かに頼まれたわけでもなく、自らの意思で商品やサービスをつくりだして、その収益で生計をたてる人です。

デザイナーはまさにフリーランスの典型で、技術や経験や知識をもとに依頼をされた企業や人に、まるで用心棒のように必要なときに必要なだけ、サービスを提供して生計を立てていますよね。いま流行りのコンサルティングもコーチングもおなじで、依頼されなければおカネにはなりません。

どんなに有名なデザイナーであっても、大きなデザイン会社であっても、フリーランス的生き方をしています。なぜなら、受注産業だからです。

常にクライアントという、権力者につかえて、ときには『オイオイ、それはないだろう』と心のなかで思っても、笑ってハイって言わないと仕事にはなりません。

よく、クライアントとデザイナーは対等な状態でなければいい仕事はできない。なんていいますが、それができるのはクライアントが小さく、経営者と面と向かって話すことができる場合だけです。しかもそれができるのは、デザイナーが実力者として経営者に認めてもらっているときだけです。ほとんどが、担当レベルからもちあがるわけですから、対等なんて状況は望めません。

つまり、デザイナーがデザインという仕事をしている限り起業家には、なれないのです。受注するのが仕事だから仕方がありません。

日本にはデザイナー出身の起業家は、ほとんどいない。

もし、デザイナーが企業家になったとして、周りからも、もしかして経営陣の中でも、デザイナーはアーティストだと言う認識を持たれるでしょう。アーティストは経営にむかない、そう思われています。数字が見えないと経営者ではないのです。日本では数字が得意でなくてはいけない、もっといえば数字さえ見えればいいんです。そして、美的な素養のない、美欲を理解できない、数字に強い経営者が多く排出されます。

デザインドリブンへと、どんどん世界は移行しているにも関わらずです。

デザインバックグラウンドを持つ主な起業家

  • Jack Dorsey – Twitter, Square
  • Brian Chesky – Airbnb
  • Evan Sharp – Pinterest
  • Chad Hurley – YouTube
  • Stewart Butterfield – Slack
  • David Karp – Tumblr
  • Charles Adler – Kickstarter
  • Dave Morin – Path

デザイン業界は、いまだにバージョンアップしてない。

たしかに、いま言ったことは日本社会の特徴ではあるのですが、デザイン業界自体、そしてデザイナーにも新しい時代に対応できていない、もしくはする気もないようにみえるときがあります。

デザインには考えるデザインと、つくるデザインがありますが、考えるデザインには興味がないように見え、つくるデザイン見えるデザインの価値が高い。

その大きな理由の一つは、考えてもオカネにならないからです。考えをカタチにしないとオカネをうみださない。

いま、いちばんもうけているのは、なにもうみださず、価値を右から左に移している人たち(株・銀行・債権・代理店)なのに、いまだにカタチにしないとオカネにならない。なにもうみだしていない人がカネを懐にいれ、多くの富を手にいれて、その人達のうみだしたオカネのおすそ分けをもらっているという構図のままで、一歩も先に進んでない。

もし、それがいやだなぁ、それを変えたいとおもうのならば、なぜそうなのかを、どうすればいいのかを、考えるデザインでデザインしなくてはいけない。

もっといえば、つくるデザインはAIによってその大部分が置き換わってしまいます。まだまだと、もしかしたら思っているかもしれませんが、5年後にはノーデザイナープリンティングみたいなソフトがでてくるでしょう。

僕はこのノーデザイナープリンティングを、自分でつくれないかなと思います。

これこそが考えるデザインが生み出したプロダクトだからです。価値をコピーすればいくらでも儲けることができます。つくるという価値を右から左に移行しただけだからです。

今日のまとめ

・フリーランス的生き方か、起業家的生き方の2種類です。

・デザイナーがデザインという仕事をしている限り起業家にはなれない。

・世界はデザインドリブンへ移行しているけど、いまだに日本では数字の人が起業家だ。

・考えるデザインがオカネにならないのは、オカネにしないからだ。

・デザインを商品にしなくてはデザイナーの未来はない。

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