なんだか釣りっぽい題名ですが、まずこのネーミングはどうでしょう?
「MacMan」
日本語でいうと「マックマン」
iMacに決まる前の、ジョブズが考えたネーミングです。ジョブズはこのネーミングにかなり固執したようです。広告代理店TBWAのクリエイティブ・ディレクター、ケン・シーガルが「walkmanみたいですよ」と言ってもスティーブ・ジョブズは最高だと思っていたらしい。
その時、広告代理店TBWAにネーミングを依頼したときの説明は
1.マッキントッシュのブランドを思い起こさせるネーミングであること
2.インターネット用にデザインされたことがはっきりわかること
3.他のいくつかの開発中の製品に使えること
ジョブズは、このマシンにアップルの未来がかかっている。だから偉大な名前を考えてくれ、そう言った一方で「マックマン」はどうだろうと聞いたらしい。
一週間ほどしてシーガルは5つの候補をつくりジョブズに見せると
「最初の4つはダメだとスティーブ・ジョブズはいった。iMacもそれほどいいと思わないといった。やはりMacManしかないな」そう言ったのでがっかりしたとシーガルは記述しています。
iMacに決まったのはみんな知ってるよって事なんですが、「MacMan」だったら果たして売れたんだろうか?そう思ってしまうのは不思議ではないですよね。
iMac購入者の32パーセントはコンピュータを初めて買う人でした。コンピュータにファッションを取り入れたリビングに置ける初めてのコンピュータでもありました。前回書いた、売り出し方のポジションをずらして、新しい付加価値をつけたコンピュータiMacはアップル復活のストーリーをつくりだしたわけです。
ネーミングを変えて大ヒットした商品は他にもいろいろあります。
ぼくらラボの片山さんの大ヒット作「世界の中心で、愛をさけぶ」は、もとの題名を『恋するソクラテス』としていたようです。片山さんも「元の題名では売れなかったよね」って言っていますから題名は重要です。
「イチロー」は、もとが『鈴木一郎』ですからとても平凡すぎます。鈴木一郎ではスーパースターになれそうにありません。
このように商品のネーミングってすごく大事です。でも、然るべきところに頼むとずいぶんな請求がきます。小さな会社にはちょっと荷が重い!
では商品やサービスなどのネーミングはどのように考えればよいのか?一般的には以下のように言われています。
(1)ショート――短い名前にする。できれば7字以内が理想。
(2)シンプル――わかりやすく覚えやすい。
(3)ストレート――まっすぐ機能等を訴える。
「難しい」「読めない」「複雑」などのネーミングは避けたほうが良いです。ネーミングは1秒勝負なんていわれますから。
小林製薬のようにドロドロネーミングで有名になる方向性もあります。
ただ、上記の3つのSを満たすことが重要です。
ぼくらラボも3つのSをもとに考えています。記憶に残っていれば嬉しいです。