ヒガシユウジのまるごとデザイン

お金をデザインする>「ぼくらのお金は死んだ!」

いまから書くことは20年前の自分に知ってもらいたいことです。知らないでうまくいかないことは多々あるし生き方を左右することもある。

知らなかったのは、お金のルールが変わったことです。多分ぼくだけではなく、周りの人も知らなくて、ある階級、もしくはある周辺の人たちはそれを知っていてそれに沿って生き方を変えていた。そう、思っています。

いま、貧富の差が拡大して大きな問題になっていますが、ぼくには、雲の上の神のような人と、地上を這い回るアリのように思えてなりません。雲の上の人は、忙しく働くアリのような人を、「頑張ってるね」とか言いながらワインを飲んで、雲の上から観察している。比喩ではなく、実際そうしています。

アリは自分の体より大きな荷物を背負って一生懸命働き、それをお金に変えて生きているのです。そうしないと生きていけないからです。でもお金を稼ぐ方法としてそれは今あまりに効率が悪いのです。モノやサービスをつくったり売ったりしてお金は稼ぐものと言うルールが、ある時から変わったのです。みんなそれを知らないのです。

お金はいま物理学をもとにした金融工学で動いています(動いているように思わせているという方がいいのかもしれません)。モノを売ったりして儲けたお金はその養分になっているだけで、その利益自体が金融を動かしているのではないのです。お金がお金を産み出しているのです。

なぜなら、いまのお金「通貨」はドルや円やユーロでも、人間が好きなだけ印刷でき、数字を増やすことができます。数字化されたお金は金融工学を使い、コンピュータで処理したほうが効率的に増やすことができるのはおわかりのとおりです。神がつくったお金、ゴールドやシルバーではないのです。

つまり、いまのお金「通貨」は数値に過ぎないのです。

そしてこの数値はどこかの人間がつくりだします。当然、つくりだした人に利益がいくようになり、また、この数値をつくり出す人間に近い組織や人ほどお金を儲けることができるのです。

このお金を稼いだ人のためにすべてのハイブランドはあるのです。そう考えると、いまの世の中を見渡すことができる。そう、おもいませんか?

汗水たらしてお金を稼いだお金は、お金の流通ルートの末端の下流の人のお金なのです。上流に行けば行くほど人は働くなくなります。その代わり、数字の勉強や人間の勉強をしています。一番上流の人はiphoneをタップするだけであっという間に巨万の金を得ます。

納得いきませんか?きっと20年前のぼくもそう思うでしょう。でも、事実なのです。いまではその気になれば事実を知る本もいっぱい出ています。

僕らが稼ぐお金は上流の人の養分なのです。ぼくらの、あのお金は死んだのです。

今から先、お金は一般的にデジタル化されます。僕らの手元の紙幣や貨幣は徐々になくなるということです。お金持ちというのは大きな数字を持っているということです。小さな数字は0.1を掛け算しても殆ど変わりませんが、大きな数字を持っている人は0.1を掛けた分だけでアリさんの一生分の数字を得ることができます。雲の上でワインを飲んでアリさんを観察して過ごすことができます。つまり、デジタル化するということはそういうことです。

人類は数字の世界に住むようになるのです。今までと同じようにプロダクトをつくったり、サービスをして働くということは、とても人間的だけれども、直接数字を動かすわけではないので、数字を効率的に増やすことはできません。

「減らず口を言う暇があったら、怠けないで働けよ!おまえ」なんて言われそうですが、一生懸命働いても大した金にならないのが”いま”なのです。普通の人がふつうに働くとアリさんになってしまします。

だから世の中は良くない。なんて言うつもりはありません。まずそれを知らないとこの先どう生きるかという方向性を見誤ってしまいます。そのなかでどう生きるかは自由なのです。

たとえば、楽しく生きたいならば、きっとそんな人たちがいっぱい集まってきます。その人達と新しい生き方を模索してつくりだしたらいいと思います。

数字をいっぱい持っている人は、仲間がいないかもしれません。楽しい人生というものがわからないかもしれません。楽しい生き方、ワクワクする体験を教えてそれにお金を出してもらいましょう。それこそ個々が繋がり合って生きるということですから。それが今からの働くということなのかもしれません。

「働く」ということが何なのか?を問われ、人生が何なのか、生きがいは何なのかを真剣に考えるのが、今からの5年先10年先の世の中になるのではないでしょうか。自分で人生をデザインしないと、単なるアリさんのまんまで終わってしまいます。

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