ヒガシユウジのまるごとデザイン

成功をデザインすることができるのか?

誰もが願うのは成功ではないでしょうか?

だから私たちは、成功した人が「何をやったか」に興味を持ちます。

毎年ビジネスで成功を収めた人の「成功本」「経営本」が山ほど出版され、セミナーなども多数開催されていますが、成功者であふれかえるなんてことはありません。金を掘るスコップが売れているだけです。つまりその本を書いた人と出版社が儲けているだけです。

成功をした人をえがき、自身も成功したマルコム・グラッドウェルは、成功はチャンスと才能の幸運のめぐり合わせだと書いている。

ウォーレン・バフェットは自分を幸運なDNAクラブの一員で当たりくじを握って生まれたと言っている。

ジェフ・べゾスはAmazonの成功を惑星直列※のような珍しい現象で運が半分、タイミングが半分で残りが頭脳だと冗談めかしていった。※太陽系内の惑星が太陽に向かってほぼ一直線に並ぶ現象。

ビル・ゲイツは、たまたま生まれつきある種のスキルがあった。といった。

彼らの謙虚さは、おそらく戦略的なものだ。連続起業家が世に存在するということは成功が単なる運とも言い切れない。成功が運によるものだとしたら、こうした連続起業家は存在しないはずだ。

ピーター・ティール

ぼくが会った、成功した人は皆、自分が成功した要因を喋ったりしません。それどころか、知らないうちにそうなっただけなんて言います。下品な話はやめてねと言うばかりに。ピーター・ティールが言ったように戦略的なものなんだろうか?

しかし成功が宝くじを当てるようなものなら努力なんて必要ない。必要なのは風水と占い師と幸運のお守りにちがいない。

また、人生がある程度決まっていて、成功はその人だけに訪れるものならば、生きるというのはどんなことなんだろうか?

ただ一つ言えるのは、成功を科学的に論理的に語ることはできないということです。たとえばtwitterがなぜ成功したかを論理的に解明するためには、twitterが日本で起業したのならどうだろうか?とか、twitterが違う人によって設立され運営していたらどうだろうかとか、多くのサンプルが必要になるに違いありません。それに時代という要素が絡むわけですから再現性がありません。

つまり、成功は再現できない過去なのです。

ぼくらは未来に向かって生きていますから、過去の成功パターンを学んでも時代も取り囲む環境も大きく違い、そのままの戦略や行動を知ることができたとしても、役には立たないにちがいありません。

未来をどう見るのかによって、人の生き方が変わると考えるほうが理にかなっています。それでも人はやはり、未来の成功は偶然や運命で決まると考えるのか?未来はコントロールできないと考えるのか?

つまり、人によって、明確に未来が見える人もいるし、ぼんやりとしか見えない人もいるに違いありません。

明確に見えるならそれに備えて準備するのは最善の方法でしょう。だけど遠い未来がぼんやりとしか見えない偶然に支配されているならば、コントロールしようと思ってもできないので諦めてしまっても不思議はありません。

世の中はいまどちらに向かっているのでしょうか?

もし未来はわからない、ぼんやりとしか見えないという考え方が、今の社会に蔓延しているとしたら、曖昧に生きることになり、とりあえず困らないようにお金を溜め込んでやり過ごそうとする。だから企業は内部留保金を溜め込み、人々は貯金に邁進するようになる。

そのうち何かが始まるので、そこに行きつくまでのお金をためることが賢いと思っているならば、未来はもっとかすむに違いありません。

ぼくが会った成功した人の共通点は、自分の信じた道を時に悩みながらも真っ直ぐ進んでいるということです。人生に保険をかけるために、いろんな資格をとったり、望んでもない仕事を安定のために選んだりなんてしてないのです。きっとそんな時間も、もったいなかったのでしょう。

つまり明確に見える自分の未来に疑うこともなく、しっかり準備をして備えていたのです。

twitterは構想から6年かかってつくりだしたものです。ジャック・ドーシーは2000年に「Blogger」と競合する「ライブジャーナル」というブログサービスを使っていました。特徴の一つは、現在の状況をショートメッセージで書き込めるというものでした。

ドーシーは、その機能を切り出して自分のウェブサイトに移せないかと考え、試作品を作りましたが、その当時の状況に合わずうまくいきませんでした。

2006年、当時働いていた会社の上司にこの話をしたことにより、止まっていた石が転がり始めたのです。

きっとその時にショートメッセージが面白いと考えた人は多数いたに違いありません。しかしその他の人には未来が見えていなかったから動かなかった。ジャック・ドーシーは6年間かけて準備をしていたから、すぐにアプリを開発することができたのです。

成功するから動くのではなく、自分が見えるモノを信じて未来をつくりだしたから成功した。成功する方法があるかどうかはわかりませんが、未来を明確なものにする力こそがその一つであると言えます。

在國寺さんが9月19日に書いた「悲観的に準備して、楽観的に行動する」を読めばスタートアップにとって準備がどんなに重要なのかがよく分かる。見える未来を掴むための足りないコマを探し出し準備すること、つまり、未来が見えるから戦略を考えつきその準備ができる。

成功をデザインするとは、未来をみつけそれに向かって準備をし、その時がきたら素早く実行すること。そういうことなんだとぼくは考えることにします。そして未来みつけデザインを始めています。

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