在國寺穂のZAIのスタートアップ語録

3 可愛さ 素直さ したたかさ

今年から、福岡のとある音楽専門学校で講師をしている。

最近、ビジネスにおける「ファンマーケティング」というジャンルが定着してきたように感じるが、10年以上前から、いかに企業やアーティストのファンになってもらうか、ファンを増やすか、継続してもらうか、をずっと考えながら仕事をしてきた。

そんな経験から、デジタルファンマーケティング、SNSを活用したセルフプロデュース、といった内容で学生とやり取りさせてもらっている。

その最初の授業の中で、音楽業界におけるマネージャー志望の学生に伝えたこと。

テーマは、良いマネージャーの要素について。

これはマネージャーという職業に限らず、アーティストでも、起業家でも、誰にでも当てはまる、自分なりの人を見るポイントでもある。


それは、「可愛さ、素直さ、したたかさ」だ。

可愛さ

人と初めて会った時の視覚的印象は、やはり大きい。性別・年齢問わず、可愛らしい、可愛げがある人は、その笑顔やオーラで周囲にプラスの効果をもたらす。

そして、そんな可愛げがある人は、自然と、この人のために何かしてあげたくなる、という気持ちにさせる。

そうなるには、外見はもちろん内面の可愛さが重要だ。

真剣に仕事をするモードと、どこか抜けてるような可愛さを持ち合わせている人は強い。

ちなみに、昔は、「カッコイイ」大人になりたいと思っていたが、最近では少し力が抜けて、カッコイイより「可愛い」おじさん、おじいちゃんになる方がいいなと思うようになった。

カッコイイ大人は常にカッコイイ振る舞いをしなければいけないが、可愛い大人は、基本的に、完璧じゃなくても許されるし、むしろそのほうが愛されるんじゃないか。ギスギスした世の中では、そんな可愛さの方が求められているように思う。

素直さ

素直な人、人の話を聞ける人は、確実に伸びるし、長く付き合いたいと思わせる。

素直な人ほど、チャンスがより多く巡ってくる。何かあった時に想起されやすく、まずあいつに話してみようかと思わせるからだ。

幾つになっても、偉くなっても、相手が誰であっても、周囲の声に素直に、謙虚に耳を傾けインプットし、自分の言動に活かす姿勢を持っていたい。

そう思わせてくれたのは、他でもない、ぼくらラボの片山さんだ。

初めてお会いした飲みの場で、親子ほど歳の離れた自分が話すことを、焼酎を飲みながらメモを取ってらっしゃった。その姿勢に最初びっくりしたが、なるほどとすぐに納得した。この素直さこそがプロなんだなと。若僧の言うことだからと変なプライドやバイアスをかけずに、素直に取り入れて自分のものにしようとする姿勢。見習いたいと思った。

もちろん何でもかんでも聞けばいいという主体性の無い姿勢ではなく、見極めが大事。最新の活きた情報が常に入ってくるような仲間、コミュニティを持つようにする。本当に信頼できるメンバーかどうかをきちんと判断する。そして、信頼したら素直に聞き入れる。シンプル。その上で、違うかな、と感じるようになったら、またアップデートすればいい。

素直に話を聞き、シンプルに行動するよう心がけたい。

したたかさ

最後は、したたかさ。

可愛く、素直な人が愛されることは言うまでもないが、それだけだと、主体性のない、ただの都合の良い存在になってしまう。だから、したたかな考えを持ち計画に沿った行動をしているか、は重要なポイントだ。

自分の知識、経験に加え、周囲から見聞きした情報を素直に吸収し、さらに自分の進むべき方向を見極め、事を為すためにしたたかに行動している人は、表情や使う言葉、コミュニケーションの姿勢からすぐに読み取れる。

したたかと言う言葉は、ずる賢い、というような良くないイメージも持つかもしれないが、実際のビジネスの現場では、粘り強く、しぶとく、成功するまで諦めずにやり切る力が圧倒的に必要になる。

自分の周りの自分の人生を自分でコントロールできているような人は、すべからく、主体性をもち、絶対にやり切るというしたたかさを持ち合わせている。


可愛く、素直で、したたかに生きる。


これからの時代を生き抜く上での指針にしようと、いつも自分に言い聞かせている。

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