みんながほしいとおもい、もしかしたら一番きょうみのあるお金のはなしです。
お金の歴史みたいな話は、なんとなく見聞きしますよね。でもなぜ、国家がお金を生み出すことができるんでしょうか?
印刷するから?
印刷したって、誰もそれをお金って認識しなければ、ただの印刷物でしょ?
ぼくだって印刷ぐらいできます。捕まりますけどね。
ああ、間違ったらいけないので、今回は仮想通貨とかの話ではなく、いまのお金を誰がどのように運用して得しているのか、みたいなことをほんのちょっと話してみたいなって思っています。
ぼくがお金ですぐ連想するもののうち、嫌な気持ちを抱いてしまうのは「銀行」です。
今回は銀行とお金の話です。
みなさん、銀行ってどうやって儲けているか知ってます?なんだか、この話になるとリズミカルにキーボードが押せるのはなぜでしょう?!
「晴れの日に傘を貸して雨の日に傘を取り上げる」
中小企業の経営者はだいたいこう言っておこります。ぼくもそうでした。いまもきらいです。でもね、銀行だって貸した金が返ってこなくちゃ大変なので当然かもね。って思ったりもします。
金融機関が融資をする原資は「預金」、つまり、皆さんからの借金です。金融機関とは「借金を原資に中小企業に融資という名の『投資』をして、利益を得ている会社」なのです。(イノベーションズアイ・落藤 伸夫)
「だから損するわけにいけないのです。」そう言われると、それもそうだ、とまた思ったりします。なんだか、悪者にされてかわいそうに思えてきます。
でもね、いろいろからくりがあるんです。もうちょっとで同情して損しちゃうところでした。
銀行は大きな儲けるけんりを、政府からいただいているんです。それは「貨幣発行益」って言います。知らぬが仏、なんてことわざがありますけど、なんだか、知ってしまうと『え~そうなの』『なんだか不公平じゃない』と思わずにはいれません。
知ったからと言って何ができるわけではありませんが、知らないよりも知ったほうがいい。こんなこと常識だよ!今更だよ!ってかたは、今回はな~んにも得るものはないのでごめんなさい。
「貨幣発行益」というのは2種類あります。
●まず、紙幣のような「信用貨幣」から生まれるものです。
1万円の製造コストはだいたい20円。残りの9,980円が「貨幣発行益」です。
これが政府や中央銀行などがえられる利益なんです。(中央銀行の場合は、もっとふくざつらしい)
●2番めが、「信用創造」という、民間銀行がつくるお金です。
えっ?民間銀行がお金をつくってるの?そう、おもいませんでしたか。
ぼくもこれを知ったときはおどろきました。銀行員はみんな知ってることみたいです。
たとえばぼくが、うさぎ銀行に「100万円かしてください」って頼むと、うさぎ銀行が「いいですよ」って、貸し出しを行う際に『貯金通貨』というお金が新しくつくられるんです。これを「信用創造」といいます。
これをたとえ話で「うさぎぎんこうは、おかねもち」というはなしにしてみます。
登場人物は、AさんとBさん、それとうさぎ銀行です。
Aさんが、うさぎ銀行に100万円を貯金しました。
うさぎ銀行はそのうち10万円を金庫にしまっておいて、残りの90万円を貸すことにしました。(現金を引き出すお客さんに備えて、一定額を手元に残します)
するとBさんが90万円を貸してくださいと、うさぎ銀行にお願いにきたので、やさしいうさぎ銀行は「かしこまりました」とBさんに貸しました。
この一連の流れで、
Aさんの口座には100万円、
Bさんの口座には90万円、
つまり、うさぎ銀行の口座には190万円あるようになりす。
あれれっ?なんかおかしい、もとは100万だったのにって思いませんか?
つまり、100万円+90万円=190万円がうさぎ銀行の口座預金にあり、見かけ上90万円増えてます。
90万円を貸したときに信用創造された「貯金通貨」があらたにつくられたんです。
うさぎ銀行はこれをくりかえし、どんどん貯金通貨をつくりだし、うさぎ銀行はあっという間に大きくなりましたとさ。
つまり、だれかがお金を借りるたびに、銀行は預金という貨幣を創造し、世の中のお金は増えていくというわけです。
銀行は、この「信用創造」によって預金貨幣を無からつくりだし、そこから得られる貨幣発行益を創造できるのです。
銀行はその、貨幣発行益を基礎にして、営業利益を獲得するという仕組みです。
このような特権を民間銀行に対する「隠れた補助金」といいます。
今日のまとめ。
お金は、紙幣のような現金貨幣と、信用創造された預金通貨があり、現金通貨は1割未満。
そして、民間銀行だけが、信用創造された預金通貨の貨幣発行益という甘い汁をすう権利を国からあたえられている。
これでいいのだ~! これが世の中だ~!