この先のブランド戦略
これからのブランドは、今までのブランドとは違うものになります。大きな違いは、今まではベースがデザインだったのが、今からはAI及びIoT技術を使ったテクノロジー&デザインがベースになります。こんな話の場合、そもそもブランドとはなにか?から始まったりするのでしょうが、この場で考える必要もなく、山のように本がでて、検索すればあらゆるブランド会社、デザイン業界、PR業界が同じようなことを書いています。しかしこれからのブランドはそこで書かれているものとは違うものになる。そう、思っています。
ぼくの勝手なアイデア段階の話で恐縮ですがブランドというのは、「見え方をデザインするから、感じ方をデザインする。」というものになると思います。
視覚からもっと皮膚の中に入ってダイレクトに深層にアプローチするものにブランドは変化します。
つまり、今までのブランドは消費者がリアル社会やネットの中で出会うであろう接点で同じステートメントで同じイメージを植え付け、消費者に安心安全で高品質な価値を持ってもらい、他社との比較に勝ち残ろうとするものですが、そのまえに勝負がついていたとしたらどうでしょう?リアル社会やネットの中で出会う前に何がしかのトリガーが植えつけられて、それに反応して、このましいイメージを思い浮かべる。そんな感じです。
センサーとブランディング
たとへば、AIが発達し時間をもてあました市民に、世界的AI企業がセンサーが組み込まれたリストウオッチやメガネなどを無料配布し生活のすべてをデーター化し、何に恐怖を感じ、何に関心を示し、何に幸福を感じ、そして不幸を感じるのか。その引き金となる色や形はどんなものなのか、どんな文脈でそれは引き起こされるのか、などなどを収集し分析し、依頼を受けた企業に提供する。これがいわゆるベーシックインカムのように機能する。
センサーが組み込まれたリストウオッチやメガネを使用し生活をすると1ヶ月10万円の収入になる。みたいな感じで市民はAIのデータとして役に立ち、収入を得ることができる。
まあ、こんなふうになるかどうかはわかりませんが、AI及びIoTが心と思考に大きな影響を及ぼすのは間違いないでしょう。データーからテストを繰り返して、トリガーとなる言葉をつくりだしその形と色をデザインし、今を生きるブランド、変化しながら生き残るブランドがつくりだされます。本当の意味でのLiving the brandが確立されるのです。
しかし、この話は1%の大企業の話です。99%の企業にはこの方法はたぶん降りてきません。とはいえ、AIとIoTの世界に生きるのは間違いのない事実です。
小さな会社とは言え、これがわかって事業を展開しないと、今は同じに見えても1~2年で大きな差になるのです。小さな会社はLiving the personal brandをめざして進むべきだと思います。パーソナルブランドは前回にも話しましたが、もうちょっと詳しく次回にでも話したいと思います。