2回に渡って“もうけない会社”の社会的必要性について仮説を立ててみましたが、今回は“もうけない会社”を包む空気というか環境について考えてみます。
ぼくらは「雰囲気」の時代に住んでいる
いま、ぼくらは「雰囲気」の時代に住んでいると思います。ほんとうのことはわからないけど「いいね!」とか「リツイート」がすごく多くついてると、なぜか人気があって正しいと思いますよね。
人気があるのは正しい、という方程式がみんなの心にできあがったように思います。たとえばブログやyoutubeやTwitterで有名になった人の考えや意見は正しい、と言うようにみんなが思うようになった。その方程式を利用してレモン市場的なビジネス、つまり情報格差を利用した商売が盛んですよね。
ブログやyoutubeやTwitterで有名になり何億も稼いだ、みなさんもこんなことをしたら儲けますよ、って感じで始まり心を支配していく。次第に人気ブロガーやユーチューバーの考えが自分の考えのように思えてくる。
つまりインターネットが人気の可視化をもたらし、人の意見がまるで自分の意見のように頭ですり替わる。それが「雰囲気」を生み出しているように思えます。人気が人気を呼び新しい価値をつくりだすのが、今の雰囲気の時代の特徴です。
信頼・信用から生まれる経済
しかしそこにあるもう一つの真実は、評判はお金で買えるということです。過去にもそんな事例はたくさんありました。コロナ以後、商売はECへと多量移行するのは確実です。それに伴いコンテンツマーケティングが盛んになります。
「いいね!」とか「リツイート」が間違いなく買われるでしょう。でも消費者はあまりに情報が多くて選べないというジレンマにおちいり、今のように「いいね!」がいっぱいなどの雰囲気で選ぶ人ばかりではなくなります。結局最後は信じられる人から物を買う。のです。
このように信じられる人との会話から消費が生まれる仲間経済が、コロナ以後、「雰囲気」のもう一つのチョイスになると思います。
もうけない会社は「いいね!」とか「リツイート」も嬉しいけど、仲間経済へ移行するための信用、信頼をつくりたいなと考えたんです。
つまり自分たちの考えを表明して、クリエイターが仲間のために誇りを持って作った商品を売り、自分たちの周りから変えていくことができれば、仲間みんなの幸せをえる近道だと考えたのです。
今儲けないもしれないけれども、長い目で見れば自由を得られる。そうすればクリエイターは自由に生きることができる。それがもうけない会社の「価値」だと考えたからです。