ぼくらラボの考え

世界は矛盾に満ちています。1%と99%と言われるような極端な富の偏りが生まれています。
世界の富豪上位26人が独占する資産は、世界人口の半数にあたる貧困層38億人が持つ資産と、ほぼ同じという推計もあります。「ひどいなー」と思わず声にだしたくなります。さらにAIは雇用を破壊するというし、温暖化などの気候変動による生態系の崩壊も深刻だし、核戦争と原発事故による身近な脅威にもさらされています。

べつに世の中を悲観しているわけではなく、今からこんな世界をどう生きていけばいいのかなと思ったわけです。みんなでいろいろ考えているときふと、”ぼくら”ってコンセプトが浮かびました。

なぜ必要なのは“ぼくら”なのか?

これから生きていくためにはどうすればいいのか? 一つの答えは
「上へ上へと第2、第3のIT長者を目指すこと」
そう考えるかもしれません。もしかしたら、あなたは成功するかもしれませんが、結局、世界は何も変わらない。それに当然のことながら、そうかんたんにIT長者になれるはずもありません。そうですよね?
 
もう、上へ上へはいいんじゃないかなと思います。自分と他人を比較するのも止めたほうがいい。たった一度きりの人生を、そんなことに費やすのはもったいない。
横へ横へと繋がってみんなが望む自らのマーケットを作っていく。仲間が集まって楽しく、気持ちよく過ごせるやわらかい場所が欲しい。
飼いならされた羊のような消費者を止めて、一人ひとりが自分なりの人生をクリエイティブにフラットに生きる。そのために必要なのは「仲間」。つまりぼくらに違いない、そう思いました。

“ぼくら”という距離感

考えると、ぼくたちが気持ちよく、楽しく、やわらかく、ちょっとだけ幸せに生きていけるかどうかは、自分を中心とした半径10メートルにかかっています。ぼくたちが自分の問題として真剣に考えることができるのは、比喩として言うと半径10メートル以内の事柄ではないでしょうか?その範囲内で起こっていることを通してしか、人と人は本当の意味でつながることはできないし、半径10メートルの現実を変えないかぎり、社会も世界も変わりません。

わかりやすいところで言えば、衣食住のことはだいたい半径10メートル以内の事柄です。ちょっと大げさに言うと生老病死。また夫婦関係や親子関係、学校や職場の人間関係なども半径10メートルの問題ですよね。いじめみたいなことは、本来は半径10メートル以内にいる相手にたいしてしか起こらないはずです。いまはSNSが物理的な距離をなくしてしまったから、目に見えないいじめが問題になっています。

つまりぼくらはこう考えています。
多くの人が知恵やアイデアを出し合い、それをフィードバックして各自の半径10メートルを自分たちでデザインしていきたい。誰もが自由に対等に力を合わせて、ぼくらの半径10メートルを変えていきたい。一人ひとりが自分の半径10メートルで楽しく、幸せに生きることができれば、もしかすると世界も少しだけ変わるかもしれないって。